목차
第1章 言語存在論とは何か――言語場へ
1 言語存在論と言語の学
2 言語場論
3 日本語は在るのか?――「何々語」の内実と輪郭
4 言語場と〈文脈〉

第2章 言語の存在様式と表現様式
1 音と光――言語の存在様式としての〈話されたことば〉と〈書かれたことば〉
2 言語の存在様式と表現様式
3 〈話されたことば〉から〈書かれたことば〉へ
4 〈書かれたことば〉はいかに生まれるのか――正音エクリチュール革命

第3章 音が意味と〈なる〉とき、光が意味と〈なる〉とき
1 言語に係わる意味
2 〈書かれたことば〉が意味となるとき
3 〈話されたことば〉が意味となるとき
4 ことばは意味となったり、ならなかったりする
5 〈意味が通じる〉ことから出発する虚構の形而上学
6 発話者と受話者の〈意味〉はなぜ異なるのか
7 〈意味するもの〉と〈意味されるもの〉の統一という擬制

第4章 〈話されたことば〉と〈書かれたことば〉
1 〈話されたことば〉と〈書かれたことば〉の仕掛け
2 オト=言語として在り、ヒカリ=文字として在る
3 〈話されたことば〉と〈書かれたことば〉の〈時間〉
4 〈形音義トライアングル〉の仕掛け
5 引用論
6 〈話されたことば〉の複数の話し手と複数の聞き手
7 〈書かれたことば〉におけるテクストの書き換えと重層的産出
8 IT革命と言語の存在様式、表現様式の変容――新たな言語場
9 言語の存在様式と表現様式の区別が言語教育へ突きつけるもの

第5章 発話論・文論――言語場から
1 言語存在論という問いから言語の内を見る
2 談話とテクスト、そして発話
3 文とはいかなる単位か
4 単語(word)の桎梏、文(sentence)の桎梏
5 言語を語る〈文〉の病

第6章 主述論・省略論――言語化するということ
1 〈主語―述語文〉中心主義の桎梏
2 言語事実における〈主語文〉と〈非主語文〉、〈述語文〉と〈非述語文〉
3 〈省略〉論――言語化されるということ
4 ことばが話し手の「意図」や「目的」の結果だという目的論的言語観

第7章 真偽論・時制論・命名論――言語的対象世界の実践的産出
1 言語外現実――真偽論の陥穽
2 〈非文〉と真偽値、〈非文〉と自然さ
3  「普通の文」と「普通でない文」は連なった広野に在る
4 〈不自然〉を胚胎する言語――意味の二項対立が融解する
5 空想も嘘も矛盾も語る言語――言語が描き出すもの
6 自らに背理する言語――言語は自らのうちに異質なものを蔵す=言語の自己背理性
7 言語存在論が問う時制論
8 命名論――名づけから言語的対象世界の実践的産出へ

第8章 動態としての言語・動態としての意味
1 〈言語静態観〉の桎梏
2 間言語的煩悶――言語の間で動くものたち
3 動態としての意味、〈意味同一性〉という物神化
4 〈教え=学ぶ〉言語――言語の本源的な共生性